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各科の専門研修プログラム

救急科(高度救命救急センター)研修プログラム

お問い合わせ先

専門領域 救急科
電話番号 0952-34-3160
メールアドレス si4778@cc.saga-u.ac.jp

1.佐賀大学医学部附属病院救急科研修プログラムについて

1.1 はじめに
  1. この研修プログラムの目的
     救急医療では医学的緊急性への対応、すなわち患者が手遅れになる前に診療を開始することがとても重要です。しかし、救急搬送された患者は初療の段階では緊急性の程度や罹患臓器も不明なため、患者の安全を確保するためには、どのような病態の緊急性にも対応できる専門医が必要です。救急搬送患者を中心に診療を行い、急病、外傷、中毒など、原因や罹患臓器の種類に関わらず、すべての救急疾患に対応できる救急科専門医の存在が国民にとって重要になってきます。この研修プログラムの目的は、「国民に良質で安心な標準的医療を提供できる」救急科専門医を育成することです。
  2. 救急科専門医の社会的責務
     救急科専門医の社会的責務は、医の倫理に基づき、急病、外傷、中毒など疾病の種類に関わらず、救急搬送患者を中心に、速やかに受け入れて初期診療に当たり、必要に応じて適切な診療科の専門医と連携して、迅速かつ安全に診断・治療を進めることにあります。さらに、救急搬送および病院連携の維持・発展に関与することで、地域全体の救急医療の安全確保の中核を担うことが使命です。本研修プログラムを修了することにより、このような社会的責務を果たすことのできる救急科専門医となる資格を得ることができます。
1.2 この研修プログラムで得られること
 専攻医の皆さんは本研修プログラムによる専門研修により、以下の能力を修得することができます。
  1. 初期診療対応
     様々な傷病、緊急度の救急患者に、適切な初期診療を行える。
  2. 複数患者対応能力
     複数患者の初期診療に同時に対応でき、優先度を判断できる。
  3. 集中治療基礎能力
     重症患者への集中治療を行える。
  4. 連携・コミュニケーション能力
     他の診療科や医療職種と連携・協力し良好なコミュニケーションのもとで診療を進めることができる。
  5. 病院前診療基礎能力
     必要に応じて病院前診療を行える。
  6. メディカルコントロール基礎能力
     病院前救護のメディカルコントロールを行える。
  7. 災害対応基礎能力
     災害医療において指導的立場を発揮できる。
  8. 救急診療教育能力
     救急診療に関する教育指導を行える。
  9. 急性期病態研究基礎能力
     救急診療の科学的評価や検証を行える。
  10. 知識・技能維持能力
     プロフェッショナリズムに基づき最新の標準的知識や技能を継続して修得し能力を維持できる。
  11. 診療倫理能力
     救急患者の受け入れや診療に際して倫理的配慮を行える。
  12. 診療安全確保能力
     救急患者や救急診療に従事する医療者の安全を確保できる。

2.救急科研修プログラムの実際

2.1 学習方法
 専攻医の皆さんには、以下の3つの学習方法(臨床現場での学習、臨床現場を離れた学習、自己学習)で専門研修を行っていただきます。
臨床現場での学習
 経験豊富な指導医が中心となり救急科専門医や他領域の専門医とも連携して、専攻医の皆さんに広く臨床現場での学習の機会を提供します。
  1. 救急診療や手術、ドクターヘリ、ドクターカーでの実地修練(on-the-job training)
  2. 診療科におけるカンファレンスおよび関連診療科との合同カンファレンス
  3. 抄読会・勉強会への参加
  4. 臨床現場に対応できるシミュレーションシステムを利用した知識・技能の習得
臨床現場を離れた学習
 国内外の標準的治療および先進的・研究的治療を学習するために、救急医学に関連する学術集会、セミナー、講演会およびJATEC、JPTEC、ICLS(AHA/ACLSを含む)コースなどのoff-the-job training courseに積極的に参加していただきます(参加費用の全額は当講座で負担します)。また、救急科領域で必須となっているICLS(AHA/ACLSを含む)コースを優先的に履修できるようにします。救命処置法の習得のみならず、優先的にインストラクターコースへ参加できるように配慮し、その指導法を学んでいただきます。また、研修施設もしくは日本救急医学会やその関連学会が開催する認定された法制・倫理・安全に関する講習にそれぞれ少なくとも1回は参加していただく機会を用意いたします(基幹研修施設期間中、講習会や学会発表時の参加費・交通費の全額は当講座で負担します)
自己学習
 専門研修期間中の疾患や病態の経験値の不足を補うために、日本救急医学会やその関連学会が運営開催する「救急診療指針」、e-Learningなどを活用した学習を病院内や自宅で利用できる機会を提供します。
 自己学習に必要な医学雑誌や書籍の購入は原則として当講座で負担します。
2.2 研修プログラムの内容
 この研修プログラムは、各専攻医の希望を考慮し、個々の基本モジュールの内容を吟味した上で、基幹施設・連携施設のいずれの施設からの開始に対しても対応できる研修コースです。
 この研修プログラムによる救急科専門医取得後には、サブスペシャルティ領域である「集中治療医学領域専門研修プログラム」に進んだり、救急科関連領域の医療技術向上および専門医取得を目指す臨床研修や、リサーチマインドの醸成および医学博士号取得を目指す研究活動を選択したりすることが可能です。また、この研修プログラム管理委員会は、基幹研修施設である佐賀大学医学部附属病院の初期臨床研修管理センターと協力し、大学卒業後2年以内に初期研修医の希望に応じて、将来、救急科を目指すための救急医療に重点を置いた初期研修プログラムにも対応することができます。
 研究活動や医学博士号取得については、臨床研究において特殊な凝固線溶系検査ができる特殊検査機器を設置しており、その指導体制も整えています。
  1. 研修期間
    3年間
  2. 出産や疾病罹患等の事情に対する研修期間
     出産や疾病罹患等の事情に対する研修期間についてのルールは「18. 救急科研修の休止・中断、プログラム移動、プログラム外研修の条件」をご参照ください。
  3. 研修施設群 このプログラムは、研修施設要件を満たした以下の24施設で行います。
    1. 佐賀大学医学部附属病院 高度救命救急センター(基幹研修施設)
    2. 日本赤十字社 唐津赤十字病院
    3. 国立行政法人 国立病院機構 嬉野医療センター
    4. 社会医療法人財団 池友会 新行橋病院
    5. 社会医療法人財団 池友会 福岡和白病院
    6. 社会医療法人財団 池友会 福岡新水巻病院
    7. 社会医療法人財団 池友会 新小文字病院
    8. 一般社団法人巨樹の会 新武雄病院
    9. 医療法人社団 高邦会 高木病院
    10. 社会医療法人 雪の聖母会 聖マリア病院
    11. 公益財団法人健和会 健和会大手町病院
    12. 地方独立行政法人 佐賀県医療センター好生館
    13. 地方独立行政法人長崎市立病院機構 長崎みなとメディカルセンター
    14. 産業医科大学病院
    15. 国際医療福祉大学成田病院
    16. 独立行政法人国立病院機構佐賀病院
    17. 社会医療法人 祐愛会織田病院
    18. 社会医療法人青洲会 福岡青洲会病院
    19. 北九州総合病院
    20. 北九州市八幡病院
    21. 公立豊岡病院組合立豊岡病院
    22. 鹿児島県立大島病院
    23. 加唐島診療所
    24. 兵庫県立はりま姫路総合医療センター
  4. 詳しくはこちら