佐賀大学医学部附属病院麻酔科専門研修プログラム
お問い合わせ先
専門領域 | 麻酔科 |
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電話番号 | 0952-34-2324 |
メールアドレス | yoshiro@cc.saga-u.ac.jp |
専門医制度の理念と専門医の使命
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麻酔科専門医制度の理念 麻酔科専門医制度は、周術期の患者の生体管理を中心としながら、救急医療や集中治療における生体管理、種々の疾病および手術を起因とする疼痛・緩和医療などの領域において、患者の命を守り、安全で快適な医療を提供できる麻酔科専門医を育成することで、国民の健康・福祉の増進に貢献する。 -
麻酔科専門医の使命 麻酔科学とは、人間が生存し続けるために必要な呼吸器・循環器等の諸条件を整え、生体の侵襲行為である手術が可能なように管理する生体管理医学である。麻酔科専門医は、国民が安心して手術を受けられるように、手術中の麻酔管理のみならず、術前・術中・術後の患者の全身状態を良好に維持・管理するために細心の注意を払って診療を行う、患者の安全の最後の砦となる全身管理のスペシャリストである。同時に、関連分野である集中治療や緩和医療、ペインクリニック、救急医療の分野でも、生体管理学の知識と患者の全身管理の技能を生かし、国民のニーズに応じた高度医療を安全に提供する役割を担う。
専門研修プログラムの概要と特徴
本研修プログラムでは麻酔症例数や指導体制が充実しており、専攻医が別途資料麻酔科専攻医研修マニュアルに定められた到達目標を達成することができると同時に、各研修施設の特徴を生かした効果的なローテーションを組むことにより、専攻医の志向するサブスペシャリティーにも配慮した研修が可能である。
専門研修プログラムの運営方針
- 研修の前半2年間のうち少なくとも6ヶ月、後半2年間のうち6ヶ月は、専門研修基幹施設(佐賀大学)で研修を行う。
- 好生館、嬉野医療センター、佐賀病院は地域医療を支える中核、中規模病院であり、これらの施設をローテーションすることにより、地域のニーズに応じた診療の多様性を経験することができる。
- 研修内容・進行状況に配慮して、プログラムに所属する全ての専攻医が経験目標に必要な特殊麻酔症例数を達成できるように、ローテーションを構築する。
- ペインクリニック・集中治療・緩和を2~4年目に3か月以上研修する。
- 整備指針に定められた到達目標を達成することができるように、すべての領域を満遍なく回るローテーションを基本とするが、小児診療を中心に学びたい者へのローテーション(後述のローテーション例B)、ペインクリニックを学びたい者へのローテーション(ローテーション例C)、集中治療を中心に学びたい者へのローテーション(ローテーション例D)など、専攻医のキャリアプランに合わせたローテーションも考慮する。
- 上記のプログラムとは別に、福岡県内の専門研修基幹施設との連携プログラム(ローテーション例E)を用意している。佐賀大学で最低1年間研修する以外の期間の研修プログラムは、研修登録時点で連携プログラムの統括責任者と協議して実施する。
研修実施計画例
A(標準) | B(小児) | C(ペイン) | D(集中治療) | E(県外連携) | |
---|---|---|---|---|---|
初年度 前期 |
佐賀大学 | 佐賀大学 | 嬉野医療センター | 佐賀大学 | 福岡県内連携施設 |
初年度 後期 |
佐賀大学 | 佐賀大学 | 嬉野医療センター | 佐賀大学 | 福岡県内連携施設 |
2年度 前期 |
好生館 | 嬉野医療センター | 佐賀大学 | 好生館 | 福岡県内連携施設 |
2年度 後期 |
好生館 | 嬉野医療センター | 佐賀大学 | 嬉野医療センター | 福岡県内連携施設 |
3年度 前期 |
嬉野医療センター | 佐賀病院 | 佐賀大学(ペインクリニック) | 佐賀病院 | 福岡県内連携施設 |
3年度 後期 |
嬉野医療センター | 佐賀大学 | 佐賀病院 | こども病院 | 福岡県内連携施設 |
4年度 前期 |
佐賀病院 | 好生館 | 好生館 | 佐賀大学(集中治療部) | 佐賀大学 |
4年度 後期 |
佐賀大学 | こども病院 | 好生館(緩和ケア) | 佐賀大学(集中治療部) | 佐賀大学 |
週間予定表 佐賀大学麻酔ローテーションの例
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
午前 | 手術室 | 手術室 | 手術室 | 手術室 | 手術室 | 休み | 休み |
午後 | 手術室 | 手術室 | 手術室 | 休み | 手術室 | 休み | 休み |
当直 | 当直 |
研修施設の指導体制
専門研修基幹施設
研修プログラム統括責任者
専門研修指導医
山田 信一(麻酔、ペインクリニック、緩和ケア)
冨田 由紀子(麻酔)
谷川 義則(麻酔、集中治療)
中川内 章(麻酔、集中治療)
山下 友子(集中治療)
中村 公秀(麻酔、集中治療)
久我 公美子(麻酔)
専門医
野口 洋(麻酔)
奈良﨑 小百合(麻酔)
松林 佑亮(麻酔)
八板 信介(麻酔)
認定病院番号
特徴
専門研修連携施設A
研修実施責任者
専門研修指導医
小杉 寿文(緩和ケア、ペインクリニック)
三溝 慎次(集中治療)
馬場 麻理子(麻酔、心臓血管麻酔)
古賀 美佳(集中治療)
久保 麻悠子(麻酔、緩和ケア)
専門医
平松 史帆(麻酔)
森永 智子(麻酔)
永石 雄基(麻酔)
田代 卓(麻酔)
認定病院番号
特徴
研修実施責任者
専門研修指導医
山田 康貴(麻酔、心臓血管麻酔、小児麻酔、集中治療)
山口 奈央子(麻酔、緩和ケア)
北村 静香(麻酔、緩和ケア)
天本 啓介(麻酔、小児麻酔)
専門医
認定病院番号
特徴
研修実施責任者
専門研修指導医
濱田 さつき(麻酔)
認定病院番号
特徴
研修実施責任者
専門研修指導医
泉 薫(麻酔)
住吉 理絵子(麻酔)
藤田 愛(麻酔)
賀来 真里子(麻酔)
石岡 泰知(麻酔)
小佐々 翔子(麻酔)
認定病院番号
特徴
研修実施責任者
専門研修指導医
東 みどり子(麻酔)
神田橋 忠(麻酔)
牧 盾(麻酔、集中治療、救急)
前田 愛子(麻酔、ペインクリニック)
白水 和宏(麻酔、集中治療)
崎村 正太郎(麻酔)
大澤 さやか(麻酔、集中治療)
福徳 花菜(麻酔、緩和ケア)
信國 桂子(麻酔)
水田 幸恵(麻酔)
浅田 雅子(麻酔)
中川 拓(麻酔)
石川 真理子(麻酔)
石橋 忠幸(麻酔)
安藤 太一(麻酔、集中治療)
中野 良太(麻酔)
隆盛 遼子(麻酔)
橋本 卓磨(麻酔)
大屋 皆既(麻酔)
専門医
春田 怜子(麻酔)
吉村 美穂(麻酔)
認定病院番号
特徴
研修実施責任者
専門研修指導医
甲斐 哲也(麻酔、ペインクリニック)
中垣 俊明(麻酔)
虫本 新恵(麻酔)
福岡 玲子(麻酔)
中山 昌子(麻酔)
川久保 紹子(麻酔)
姉川 美保(麻酔)
福地 香穂(麻酔)
坂田 いつか(麻酔)
濱地 朋香(麻酔)
認定病院番号
特徴
研修実施責任者
専門研修指導医
倉富 忍(麻酔)
阿部 潔和(麻酔)
牛尾 春香(麻酔)
八田 万里子(麻酔)
認定病院番号
特徴
ハイブリッド手術室では、TAVI・TEVARをはじとする経カテーテル手術を全身麻酔科下で施行しているほか、ロボット支援手術システムを取り入れた高度先進医療も積極的に行い、難易度の高い術式や循環器系の重症合併症を有する患者の手術症例が数多く施行されている。また、第 3 次救急救命センターを有しているため、緊急症例が多く、全手術件数の 20%以上が緊急手術で、胸腹部大動脈破裂・頭部外傷・消化管穿孔・多発外傷等の緊急手術に 365 日 24 時間対応し、地域の医療の一翼を担っている。
研修実施責任者
専門研修指導医
芳野 博臣(麻酔)
松本 恵(麻酔)
今井 敬子(麻酔)
水山 有紀(麻酔、集中治療)
小林 淳(麻酔)
濱地 良輔(麻酔)
梅崎 有里(麻酔)
認定病院番号
特徴
特に小児循環器科では 九州北部・山口から広域に患者を受け入れており、手術症例も多い。このため、先天性心疾患手術はVSDから単心室・複雑心奇形まで多彩である。成人心臓手術も多岐にわたり、弁膜症や冠動脈バイパス手術、急性大動脈解離や大動脈破裂など心臓血管専門医に必要な症例は全てカバーできる。 JB-POTを有するスタッフは現在7名在籍しており、手厚い指導体制で後期研修をサポートする。ハイブリッド手術室での、ASD/PDAカテーテル閉鎖術や動脈瘤のステント手術、弁置換手術のTAVIに加えて、本年度より左心耳閉鎖デバイス(Watch Man)も導入された。
また、地域周産期母子医療センターを併設しており、胎児診断を元に産婦人科・新生児科・麻酔科がチーム医療と相互サポート体制で計画的に治療を行い、周産期の産科麻酔・新生児麻酔の研修体制をバックアップする。
麻酔科管理症例は4011例で、6歳未満の麻酔症例数は227例(2023年度)であり、小児麻酔認定医への症例数は十分である。安全・安心な周術期管理を第一としつつも、末梢神経ブロック積極的に併用し、こどもたちにも多角的鎮痛により良好な鎮痛を目指している。
学会発表も積極的に行っており、昨年度はアメリカ麻酔学会や欧州麻酔学会(Euroanaesthesia)での発表実績がある。
研修実施責任者
専門研修指導医
認定病院番号
特徴
研修実施責任者
専門研修指導医
松角 貴子(麻酔)
山本 美佐紀(麻酔)
木村 真実(麻酔)
山田 千晶(麻酔、緩和医療)
認定病院番号
特徴
研修実施責任者
専門研修指導医
谷口 省吾(麻酔)
藤本 鮎美(麻酔)
竜田 ちひろ(麻酔)
東 晶子(麻酔)
専門医
松山 優梨子(麻酔)(産休中)
認定病院番号
特徴
研修実施責任者
専門研修指導医
三角 正氣(麻酔)
認定病院番号
特徴
研修実施責任者
専門研修指導医
島内 司(麻酔)
自見 宣郎(麻酔)
坂井 寿里亜(麻酔)
佐々木 翔一(麻酔)
井手 朋子(麻酔)
専門医
認定病院番号
特徴
当院の麻酔の特徴としては
①整形外科手術、呼吸器外科、外科、小児外科、形成外科に対しては、超音波ガイド下末梢神経ブロックを用いた麻酔管理や術後疼痛管理を積極的に行っています。
②小児の麻酔症例が多いのが特徴です。6歳未満の小児の手術件数は年間600件を超えています。
③心臓血管外科手術は、胸部大血管手術や弁置換術に加え、EVARなど低侵襲心臓大血管手術を経験できます。
④形成外科が、口唇口蓋裂、頭蓋縫合早期癒合症など先天異常に対する治療を積極的な行っているため、気道確保困難が予想されるTreacher Collins SyndromeやPierre Robin Syndromeなどの症例を経験できます。
⑤福岡県南の産科医療の拠点であり、ハイリスク妊婦の麻酔を数多く経験できます。帝王切開の手術件数は年間250件前後です。
⑥外科、脳神経外科、整形外科、形成外科の緊急手術が多いため、緊急手術症例対応に必要な知識と技術を取得できます。
⑦日本でも有数の股関節・大腿近位の骨折の治療実績を誇り、脊髄くも膜下麻酔や硬膜外麻酔の手技を多く経験できます。
研修実施責任者
専門研修指導医
原 将人(麻酔、心臓血管麻酔)
中川 景子(麻酔)
大下 健輔(麻酔、心臓血管麻酔)
亀山 直光(麻酔)
横溝 美智子(麻酔)
濵田 寛子(麻酔)
太田 聡(麻酔)
服部 美咲(麻酔)
藤田 太輔(麻酔、心臓血管麻酔)
江島 美紗(麻酔)
合原 由衣(麻酔)
認定病院番号
特徴
研修実施責任者
専門研修指導医
認定病院番号
特徴
研修実施責任者
専門研修指導医
伊藤 貴彦(麻酔、救急医療)
認定病院番号
特徴
研修実施責任者
専門研修指導医
重松 研二(麻酔、集中治療)
楠本 剛(麻酔、心臓血管麻酔)
柴田 志保(麻酔、ペインクリニック、緩和ケア)
岩下 耕平(麻酔、集中治療)
佐藤 聖子(麻酔、産科麻酔、小児麻酔)
平井 規雅(麻酔、ペインクリニック)
三股 亮介(麻酔、心臓血管麻酔)
外山 恵美子(麻酔、ペインクリニック、緩和ケア)
富永 将三(麻酔、産科麻酔、小児麻酔)
今給黎 佑理(麻酔、産科麻酔)
山田 宗範(麻酔、心臓血管麻酔、集中治療)
三原 慶介(麻酔、ペインクリニック)
大久保 美穂(麻酔、集中治療)
越智 麻衣子(麻酔、産科麻酔)
原 仁美(麻酔)
認定病院番号
特徴
研修実施責任者
専門研修指導医
中原 春奈(麻酔)
野口 紗織(麻酔)
高橋 明子(麻酔)
認定病院番号
特徴
研修実施責任者
専門研修指導医
秋吉 浩美 (麻酔)
小林 祐紀子 (麻酔)
認定病院番号
特徴
研修実施責任者
専門研修指導医
戸田 志緒里(麻酔)
渡嘉敷 彩音(麻酔)
認定病院番号
特徴
研修実施責任者
専門研修指導医
高口 由希恵(麻酔)
認定病院番号
特徴
研修実施責任者
専門研修指導医
熊野 仁美(麻酔、産科麻酔)
認定病院番号
特徴
研修プログラム統括責任者
専門研修指導医
齋川 仁子(麻酔)
原賀 勇壮(麻酔、緩和、ペインクリニック)
武藤 官大(麻酔、ペインクリニック、災害)
武藤 佑理(麻酔、ペインクリニック)
神代 正臣(麻酔、緩和、ペインクリニック)
豊永 庸佑(麻酔)
松山 宗子(麻酔)
中野 涼子(麻酔)
専門医
認定病院番号
特徴
研修実施責任者
専門研修指導医
寺田 忠徳(麻酔、ペインクリニック、緩和医療)
濵田 高太郎(麻酔)
福井 遼(麻酔)
武末 美幸(麻酔)
橋本 航(麻酔)
原 幸治(麻酔、ペインクリニック)
専門医
瀧山 さゆり(麻酔)
金田 翔吾(麻酔)
神野 正航(麻酔)
高場 絹子(麻酔)
認定病院番号
特徴
研修実施責任者
専門研修指導医
竹田 貴雄(麻酔、ペインクリニック)
西村 昌泰(麻酔)
竹中 伊知郎(麻酔)
野上 裕子(麻酔)
佐藤 珠美(麻酔)
専門医
認定病院番号
特徴
専門研修連携施設B
研修実施責任者
専門研修指導医
認定病院番号
特徴
研修実施責任者
専門研修指導医
迎 雅彦(麻酔)
中西 洋太朗(麻酔)
認定病院番号
特徴
専攻医の採用と問い合わせ先
採用方法
問い合わせ先
佐賀大学医学部附属病院 麻酔・蘇生学 教授 坂口 嘉郎
佐賀県佐賀市鍋島5丁目1‐1
TEL 0952‐34‐2324
E-mail yoshiro@cc.saga-u.ac.jp
http://www.masui.med.saga-u.ac.jp/
麻酔科医資格取得のために研修中に修めるべき知識・技能・態度について
専門研修で得られる成果(アウトカム)
- 十分な麻酔科領域、および麻酔科関連領域の専門知識と技能
- 刻々と変わる臨床現場における、適切な臨床的判断能力、問題解決能力
- 医の倫理に配慮し、診療を行う上での適切な態度、習慣
- 常に進歩する医療・医学に則して、生涯を通じて研鑽を継続する向上心
麻酔科専門研修の到達目標
麻酔科専門研修の経験目標
専門研修方法
臨床現場での学習においては、麻酔科内の症例検討会だけでなく、関連診療科との合同症例検討会を適宜行う。本研修プログラム全体で行う症例検討会、セミナーを年1回は開催する。
自己学習の環境として、研修施設内に図書、シミュレーション教材などを整備する。
専門研修中の年次毎の知識・技能・態度の修練プロセス
専門研修1年目
院内のカンファレンスや抄読会、外部のセミナーやカンファレンスなどに出席し、積極的に討論に参加できる。
専門研修2年目
学術集会や学術出版物に、症例報告の発表をすることができる。
専門研修3年目・専門研修4年目
2年目までの経験をさらに発展させ、さまざまな症例の周術期管理を安全に行うことができる。基本的にトラブルのない症例は一人で周術期管理ができるが、難易度の高い症例、緊急時などは適切に上級医をコールして、患者の安全を守ることができる。
臨床上の疑問に関して、指導医とともに仮説を立て、それを解明するような研究のデザインを立案し、研究を実施し、仮説が成り立つか証明するという研究活動経験を持つことが推奨される。
専門研修の評価(自己評価と他者評価)
形成的評価
- 研修実績記録:専攻医は毎研修年次末に、専攻医研修実績記録フォーマットを用いて自らの研修実績を記録する。研修実績記録は各施設の専門研修指導医に渡される。
- 専門研修指導医による評価とフィードバック:研修実績記録に基づき、専門研修指導医は各専攻医の年次ごとの知識・技能・適切な態度の修得状況を形成的評価し、研修実績および到達度評価表、指導記録フォーマットによるフィードバックを行う。研修プログラム管理委員会は、各施設における全専攻医の評価を年次ごとに集計し、専攻医の次年次以降の研修内容に反映させる。
- 専門研修指導医は専攻医の評価を行う際に、連携診療している外科医、看護師、薬剤師、臨床工学技士、放射線技師などの医療スタッフから専攻医がどのように評価されているかを必要に応じて聞き取り調査する。
総括的評価
専門研修プログラムの修了要件
専攻医による専門研修指導医および研修プログラムに対する評価
研修プログラム統括管理者は、この評価に基づいて、すべての所属する専攻医に対する適切な研修を担保するために、自律的に研修プログラムの改善を行う義務を有する。研修プログラム統括管理者は、必要な改善事項に関して、研修プログラム管理委員会に諮り、研修プログラムのシステム改善を実施する。この際に、指導医あるいはプログラムに対してフィードバックを行った専攻医個人が特定できないような配慮をする。研修プログラム管理委員会では、専攻医によるフィードバックを分析し、研修プログラム、専門研修指導医の教育方法の改善に結びつける。
専門研修の休止・中断、研修プログラムの移動
専門研修の休止
- 専攻医本人の申し出に基づき、研修プログラム管理委員会が判断を行う。
- 出産あるいは疾病などに伴う6ヶ月以内の休止は1回までは研修期間に含まれる。
- 妊娠・出産・育児・介護・長期療養・留学・大学院進学など正当な理由がある場合は、連続して2年迄休止を認めることとする。休止期間は研修期間に含まれない。研修プログラムの休止回数に制限はなく、休止期間が連続して2年を越えていなければ、それまでの研修期間はすべて認められ、通算して4年の研修期間を満たせばプログラムを修了したものとみなす。
- 2年を越えて研修プログラムを休止した場合は、それまでの研修期間は認められない。ただし、地域枠コースを卒業し医師免許を取得した者については、卒後に課せられた義務を果たすために特例扱いとし2年以上の休止を認める。
専門研修の中断
- 専攻医が専門研修を中断する場合は、研修プログラム管理委員会を通じて日本専門医機構の麻酔科領域研修委員会へ通知をする。
- 専門研修の中断については、専攻医が臨床研修を継続することが困難であると判断した場合、研修プログラム管理委員会から専攻医に対し専門研修の中断を勧告できる。
研修プログラムの移動
- 専攻医は、やむを得ない場合、研修期間中に研修プログラムを移動することができる。その際は移動元、移動先双方の研修プログラム管理委員会を通じて、日本専門医機構の麻酔科領域研修委員会の承認を得る必要がある。麻酔科領域研修委員会は移動をしても当該専攻医が到達目標の達成が見込まれる場合にのみ移動を認める。
地域医療への対応
専攻医の就業環境の整備
年次評価を行う際、専攻医および専門研修指導医は研修施設に対する評価(Evaluation)も行い、その内容を専門研修プログラム管理委員会に報告する。就業環境に改善が必要であると判断した場合には、当該施設の施設長、研修責任者に文書で通達・指導する。