佐賀‐筑後臨床検査医学専門医研修プログラム
お問い合わせ先
専門領域 | 臨床検査 |
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電話番号 | 0952-34-3243 |
メールアドレス | sueokae@cc.saga-u.ac.jp |
佐賀‐筑後臨床検査医学専門医研修プログラムについて
佐賀‐筑後臨床検査医学専門医研修プログラムの目的と使命
- 専攻医が臨床検査に関する知識、技能を習得すること。
- 専攻医が臨床検査を通して診療に貢献すること。
- 専攻医が臨床検査の研究法を習得すること。
- 専攻医が医師として適切な態度と高い倫理性を備えることにより、患者・メディカルスタッフに信頼され、プロフェッショナルとしての誇りを持つこと。
- 臨床検査専門医の育成を通して国民の健康・福祉に貢献すること。
具体的な例として、γ-GTという検査項目を取り上げて臨床検査専門医を特徴づけてみます。この項目が胆汁うっ滞やアルコール飲酒で高値となることは医学生でも知っています。しかし、なぜ高値になるのかを説明するためには、この物質がどのように合成され(アルコールやある種の薬剤で誘導される)、どのように代謝される(本来は肝細胞膜に存在し、胆汁中に排泄されるが閉塞機序で血流に入る)のかを知る必要があります。また、値付けの根拠やその標準化、測定法の概要の知識を持つことは、信頼できるデータを提供するため、または思わぬ検査エラーにも対処するために必要なことです。このように、臨床検査専門医は臨床検査医学、臨床医学全般に関わる総合的な科学者と位置づけられます。この学際的な側面は、診療だけでなく研究にも参画できる能力を発揮することになります。
本研修プログラムでは、臨床検査医学総論、一般臨床検査学・臨床化学、臨床血液学、臨床微生物学、臨床免疫学・輸血学、遺伝子関連検査学、臨床生理学の基本7科目の研修を行います。基幹施設である佐賀大学附属病院で、多くの研修を行いますが、連携施設での研修を行うことにより、深みのある研修となるように工夫しています。
研修の修了が認定されたら専門医認定試験の受験資格が与えられます。この試験に合格すると、臨床検査専門医となります。臨床検査専門医には、さらに経験を積み大規模中規模施設の臨床検査部門を管理・運営すること、指導医となって現在は数少ない臨床検査専門医を育成すること、教育研究機関において臨床検査医学の教育研究を担うことが期待されます。
カリキュラム制研修について
一方、臨床検査専門医を目指す者として、初期臨床研修後すぐに専攻医となるのはもちろんのこと、他領域で経験を積んだ後に当該専門領域のキャリアを踏まえて、より検査診断に特化した力量と資質の習得を目指すことも重要です。臨床検査をストレート研修した者と、様々な経験の後に研修した者、両者が横断性のある臨床検査専門医の集団を形成していくことが、臨床検査医学の発展およびそれに基づく良質かつ安全な患者診療の提供に貢献します。臨床経験豊富な他基本領域専門医取得者には、初期臨床研修修了後の専攻医と同じプログラム制の研修はそぐわないと考えられ、この場合は、カリキュラム制の研修を行うことを可能とします。また、初期臨床研修修了後に義務年限を有する場合や、特別な事情でプログラム制の研修が困難な場合にもカリキュラム制研修を選択できます。カリキュラム制とは、研修の形態の詳細は問わず、到達目標を達成すれば認定試験受験資格を与えるものです。本プログラムは初期臨床研修直後のプログラム制によるストレート研修を想定したものですが、カリキュラム制の専攻医についても適宜記載してありますので、担当箇所を注意して読んでください。
日本臨床検査医学会入会について
臨床検査専門研修はどのようにおこなわれるのか
研修段階の定義
- 初期臨床研修中に選択必修あるいは自由選択により臨床検査を研修することはできますが、これを専門研修の一部に充てることはできません。
- 専門研修の3年間は、それぞれ医師に求められる基本的診療能力・態度(コアコンピテンシー)と日本臨床検査医学会が定める「臨床検査専門研修カリキュラム」(別添)にもとづいて臨床検査専門医に求められる知識・技能の修得目標を設定し、基本科目修了の終わりに達成度を評価します。具体的な評価方法は後の項目で示します。
- 臨床検査の基本科目とそのおおまかな研修期間は以下の通りです。原則として基本検査科目ごとに独立し集中して研修し、ローテーションすることになります。その順序は原則自由ですが、超音波診断医としての業務が想定されることが多いため、臨床生理学の研修を優先させることを奨励しています。
- 臨床検査医学総論:2~4ヶ月
- 一般臨床検査学・臨床化学:4~6ヶ月
- 臨床血液学:4~7ヶ月
- 臨床微生物学:4~7ヶ月
- 臨床免疫学・輸血学:2~4ヶ月
- 遺伝子関連検査学:1~2ヶ月
- 臨床生理学:2~6ヶ月
- 各年の習熟目標としては、検査報告書の作成を例にすると、1年目は指導医の点検を必要とするレベルから、2、3年目には指導医の点検を必要としないレベルを目指します。後に述べるRCPCは全期間を通して行います。また研究などの学術的活動も1年目終了後に随時行うことができます。
- 各基本科目の施設内での研修は以下のように行います。
- 病院検査部門で臨床検査技師の助力のもとに各種検査を実施(経験するレベル)、見学する。
- 病院検査部門で指導医の指導のもとで各種検査の結果を判定し、報告書発行が業務となっている場合は報告書を作成する。
- 病院検査部門で指導医の指導のもとで各種コンサルテーションに応え、記録を作成する。
- 指導医による講義により検査に関連する知識を得る。
- 検査部門または臨床科のカンファレンスに参加して学習する。
- 指導医と上級臨床検査技師の監督のもとに臨床検査技師実習学生の教育を実践することにより学習する。
- 臨床検査法提要(金原出版)、標準臨床検査医学(医学書院)、異常値の出るメカニズム(医学書院)などの教材や施設内教材を用い、自己学習により学習する。
- 施設外では3年間のうちに以下のことを研修します。e-learningによる研修も可とします。
- 日本臨床検査医学会または日本臨床検査専門医会が主催する講習会・セミナーで研修委員会が専攻医の学習用に認定したものに計10単位以上(原則1時間あたり、1単位)聴講・参加し、出席記録を残す。
- 医療安全、感染対策、医療倫理については、上記学会または研修施設が主催する講習会を受講する。各1回以上講習を受け、出席記録を残す。
- 指導法、評価法は日本臨床検査医学会ならびに日本臨床検査専門医会、または所属施設が主催する指導者用講習会で研修する。
週間、年間の研修計画
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
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午前 | 指導医による 指導・自己学習 |
超音波検査研修 | 指導医による 指導・自己学習 |
超音波検査研修 | 指導医による 指導・自己学習 |
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午後 | 超音波検査研修 | 超音波検査研修 | 超音波検査研修 | 超音波検査研修 | 超音波検査研修 | ||
夕方 | 臨床科カンファランス | 臨床検査科カンファランス | 臨床検査科勉強会 | 研究カンファランス | 自己学習またはRCPC |
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
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午前 | 指導医による 指導・自己学習 |
超音波検査研修・業務 | 指導医による 指導・自己学習 |
超音波検査研修・業務 | 指導医による 指導・自己学習 |
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午後 | 検査室研修・検体検査 診断業務 |
検査室研修・検体検査 診断業務 |
検査室研修・検体検査 診断業務 |
検査室研修・検体検査 診断業務 |
検査室研修・検体検査 診断業務 |
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夕方 | 臨床科カンファランス | 臨床検査科カンファランス | 臨床検査科勉強会 | 研究カンファランス | 自己学習またはRCPC |
- 「指導医による指導・自己学習」は検査室以外の場所(医局、研究室など9での研修です。指導医や上級検査技師によるミニ講義、過去の検査報告書・教材の自己学習、研修レポートの作成などを行います。
- 超音波検査業務を行うために超音波検査の研修を最初に行うよう奨励しています。
- 「検査室研修・検体検査診断業務」は、検査室における研修で、検査の実施、見学、判定、報告書作成などを行います。研修が修了している検体検査科目は診断業務を行います。例えば、血液検査の研修が修了していれば骨髄像検査の報告書作成を行います。
- カンファランスでの学習は後にも述べますが、臨床科カンファランスは、主に内科が主催する症例検討会に参加します。臨床検査科カンファランスは検査室スタッフの会議であり、検査室の管理や諸問題に対処します。臨床検査科勉強会は臨床検査に関連した文献を学習します。研究カンファランスは講座(部局)で進行中の研究について討議します。
- ここに示したスケジュールは全てのコマを研修関連事項で埋めてありますが、研究活動、研修会への参加、外部医療機関での勤務(外勤)などの必要性が生じた場合は、指導医との話し合いにより随時調整することになります。外勤に充てる時間については基幹施設の就業規定に従うことになります。
月 | 全体行事予定 |
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基本科目修了時 |
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プログラム修了時 |
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カリキュラム制の研修計画
専攻医の到達目標(修得すべき知識・技能・態度など)
経験すべき臨床検査
- 臨床検査医学総論:外部精度管理(日本医師会、日本臨床衛生検査技師会、CAPなどが実施)の成績(3回以上)。
- 一般臨床検査学・臨床化学:内部精度管理(10項目以上について。各項目は1回以上)。パニック値を含めた異常値症例(10項目以上について。各項目は3回以上)。
- 臨床血液学:内部精度管理(5項目以上について。各項目は1回以上)。パニック値を含めた異常値症例(5項目以上について。各項目は3回以上)。病的末梢血液像、病的骨髄像についてはあわせて10例以上。
- 臨床微生物学:一般細菌培養(グラム染色所見を含む)により起因菌同定と薬剤感受性試験が行われた症例(10例以上)。抗酸菌培養、抗酸菌塗抹検査が行われた症例(3例以上)。
- 臨床免疫学・輸血学:内部精度管理(5項目以上について。各項目は1回以上)。パニック値を含めた異常値症例(5項目以上について。各項目は3回以上)。血液型判定(変異型も含む)、クロスマッチ、不規則抗体検査が行われた症例(3例以上)。
- 遺伝子関連検査学:血液造血器腫瘍、悪性腫瘍、薬物代謝に関連した遺伝子、または遺伝性疾患の遺伝子診断が行われた症例(2例以上)。
- 臨床生理学:超音波検査(5例以上)、心電図検査(5例以上)、呼吸機能検査(2例以上)、神経・筋関連検査(2例以上)。超音波検査は実施したものとする。
報告書の作成とコンサルテーションへの対応
- 指導医の指導のもと、臨床検査の報告書(病的尿沈渣、アイソザイム、病的末梢血液像、骨髄像、感染症法対象病原体検出、多剤耐性菌検出、不規則抗体検出、免疫電気泳動、遺伝子診断、超音波診断、など)を作成してもらいます。勿論これらは診療の一環です。各基本科目を最低1通含み計36通以上が必要です。
- 栄養サポートチーム、院内感染対策、輸血療法委員会など、施設内のチーム医療活動に検査部門医師として参加した場合はその記録を保管してください。その実績は上記(1)での報告書に置き換えることができます。
- 臨床検査科外来、施設内各種医療職、外部ネットワークなどからのコンサルテーションに対応した場合は、その記録を保管してください。これらの実績も上記(1)での関連する基本部門の報告書に置き換えることができます。
検査データカンファランス(RCPC:reversed clinico-pathological conference)
地域医療の経験
- 佐賀県または臨床衛生検査技師会J支部が実施している臨床検査外部精度管理事業に指導医とともに参加することが必要です。
- 佐賀県または隣県の医療機関で、臨床検査専門医が不在で臨床検査の指導を必要としている施設において、指導医が指導する際に立ち会い、地域支援のあり方と実際を研修することになります。
- 地域内において種々団体が開催する臨床検査の啓発事業に積極的に参加し、協力してください。
カリキュラム制の研修
各種カンファレンスなどによる知識・技能の習得について
- 基幹施設および連携施設それぞれにおいて医師および臨床検査技師スタッフによる臨床検査の精度管理と精度保証、臨床検査の試料採取と測定方法、データ解析に関する症例検討会を行い、専攻医は積極的に意見を述べ、同僚の意見を聴くことにより、具体的な診断と管理の論理を学びます。
- 臨床各科との合同カンファレンス:実際の臨床症例をもとに、臨床所見、治療と臨床検査データとの関係、異常値の出るメカニズムなどを学びます。また、それに基づいて、次の臨床検査計画の立案について検討し、学習します。逆に、検査データのみからその患者の病態を推測した後、指導医と議論し、最終的には患者情報を確認することで、模擬RCPCを体験し、検査データの成り立ちと読み方を学習します。
- 指導医と上級臨床検査技師の監督のもとに、医学科学生や臨床検査技師の実習学生に教えることで知識と技術を確立します。
- 基幹施設と連携施設による症例検討会:稀な症例や急ぎの検討を要する症例などについては施設間をつなぐテレビ会議システム、またはいずれかの施設に集合して検討を行います。各施設の専攻医や若手専門医による研修発表会を年に一度、大学内の施設を用いて行い、発表内容、スライド資料の良否、発表態度などについて指導的立場の医師や同僚・後輩、臨床検査技師スタッフから質問をうけて討論を行います。
- 各施設において抄読会や勉強会を実施します。専攻医は最新のガイドラインを参照するとともに、インターネットなどによる文献検索を含め、種々の情報検索を行います。
- 臨床検査手技をトレーニングする設備や教育DVDなどを用いて積極的に臨床検査手技を学びます。
- 日本臨床検査医学会の学術集会(特に教育的企画)、日本臨床検査専門医会、日本臨床化学会、日本検査血液学会、日本臨床微生物学会、日本遺伝子診療学会、日本超音波学会などの学術集会、日本医師会の臨床検査精度管理調査報告会や地域ごとの医師会精度管理調査報告会、その他各種研修セミナーなどで、下記の事柄を学びます。各病院内で実施されるこれらの講習会にも参加してください。
- 標準的な臨床検査医学的手法、および今後期待される先進的な医療と臨床検査とその関連領域
- 臨床検査の標準化と精度管理
- 医療安全、病院感染対策、ELSI
- 指導法、評価法などの教育技能
- 臨床検査医学に関する研究方法と考え方
- プレゼンの仕方と論文の書き方
学問的姿勢について
学会に積極的に参加し、研究成果を発表してください。得られた成果は論文として発表して、公に広めると共に批評を受ける姿勢を身につけることが重要です。
- 臨床検査医学(臨床病理学)に関する筆頭者としての原著論文、または学会報告が 3 編以上あること(ただし、そのうち筆頭者としての原著論文が少なくとも 1 編以上あること)。
- 原則として、3年間の研修期間中に雑誌「臨床病理」あるいは日本臨床検査医学会もしくはその関連学会に発表したものであることが望ましい。
医師に必要なコアコンピテンシー、倫理性、社会性などについて
- 医師としての責務を自律的に果たし信頼されること(プロフェッショナリズム)
医療専門家である医師と患者を含む社会との契約を十分に理解し、患者、家族から信頼される知識・技能および態度を身につける。 - 患者中心の医療を実践し、医の倫理・医療安全に配慮すること
患者の社会的・遺伝学的背景もふまえ患者ごとに的確な医療を実践できる。医療安全の重要性を理解し事故防止、事故後の対応がマニュアルに沿って実践できる。 - 臨床の現場から学ぶ態度を修得すること
臨床の現場から学び続けることの重要性を認識し、その方法を身につける。 - ヒト試料を用いた研究ができること
ヒト試料を用いた研究に関連した規制上の問題について熟知し、高い倫理性をもって規制を守ることができる。特に、遺伝子検査や遺伝子解析研究の際には、その特殊性を理解し、個人情報や人権を保護しつつ遂行できる。 - チーム医療の一員として行動すること
チーム医療の必要性を理解しチームのリーダーとして活動できる。的確なコンサルテーションができる。他のメディカルスタッフと協調して診療にあたることができる。特に臨床検査専門医は、臨床検査技師と協調することが不可欠であるため、臨床検査技師の特性を理解することが重要となる。 - 後輩医師に教育・指導を行うこと
自らの診療技術、態度が後輩の模範となり、また形成的指導が実践できるように、学生・初期研修医・後輩専攻医を指導医とともに診療・教育・研究を実施し、後輩医師の教育・指導も担ってもらう。 - 保険医療や主たる医療法規を理解し、遵守すること
健康保険制度を理解し、保険医療をメディカルスタッフと協調し実践する。医師法・医療法を理解する。臨床検査に関する診療点数を理解し、保険適用の条件、および適正化についても考える知識を持つ。
施設群による研修プログラムおよび地域医療についての考え方
施設群による研修
施設群における研修の順序、期間等については、専攻医を中心に考え、個々の専攻医の希望と研修進捗状況、各病院の状況、地域の指導体制を勘案して、佐賀-筑後臨床検査専門医専門研修プログラム管理委員会が企画します。
地域医療・地域連携への対応
- 佐賀県または臨床衛生検査技師会佐賀支部が実施している臨床検査外部精度管理事業に参加する。
- 佐賀県または隣県の医療機関で、臨床検査専門医が不在で臨床検査の指導を必要としている施設において、指導医とともに臨床検査の指導にあたる。
- 地域内において種々団体が開催する臨床検査の啓発事業に積極的に参加し、協力する。
年次毎の研修計画について
まず、佐賀大学附属病院で臨床検査総論を学び、臨床検査を専門とする心構えを身につけることになります。臨床生理学の研修として、心電図、呼吸機能、神経生理などの検査を実施も含めながら研修します。
その後、連携施設の好生館病院もしくは高木病院に異動します。ここには臨床病理を専門とする指導医(好生館病院)と血液検査を専門とする指導医(高木病院)がいますので、好生館病院では病理診断を含めた形態学の研修を、高木病院では、血液学一般の研修を行います。高木病院においては一般検査(尿検査が主)および微生物学検査の件数が多いので、一般検査の研修も高木病院で行います。
その後、佐賀大学附属病院に戻り、まず生理検査部門の研修を行います。生理機能検査一般を病態生理とともに評価する基礎を身につけ、同検査の報告書を作成することを以降の業務とします。その後、順次カリキュラムに掲載してある検査を研修します。施設内で行っていない検査、例えば遺伝子検査などについては、近隣の施設に実施している状況を見学にいきます。これは連携施設というわけではなく、臨時にその都度調整します。見学は検査実施技術のみで、検査の背景の学習、結果の解釈などは基幹施設で指導医が教えます。
研究は2年次から、指導医と話し合ってテーマを決めて始めます。倫理申請が必要となることが想定されますので、テーマは早く決める必要があります。研究のための時間を前に述べたスケジュールでは特別にとってはいませんが、指導医と相談の上、随時決めることになります。
年次 | 施設 | 研修内容 | その他 | |
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1 | 前半3ケ月 | 佐賀大学附属病院 | 臨床検査医学総論、臨床生理学(全般) 臨床生理学(超音波検査)、一般臨床検査学、病理学一般、微生物検査 |
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後半9ケ月 | 好生館病院あるいは高木病院 | |||
2 | 佐賀大学附属病院 | 生理検査一般、超音波診断学、臨床血液学、臨床化学 | 研究開始 | |
3 | 佐賀大学附属病院 | 臨床微生物学、遺伝子関連検査学、臨床免疫学・輸血学 | 研究まとめ |
専門研修の評価について
評価方法
- 専攻医の自己評価
専攻医は行った研修について、基本科目が終わる毎に、評価表(別添)を用い自己評価して指導医に提出してください。専攻医の自己評価はA:確実に出来る、B:出来る、C:なんとか出来る、D:あまり出来ない、E:全く出来ないとします。 - 指導医による評価
指導医は、専攻医の自己評価報告を受け、指導医も同じ評価表上で専攻医の達成度を評価します。評価はA:良い、B:できる、C:努力が必要の3段階評価です。評価がCであった場合には補修的研修を受ける必要があります。そして再評価し、B以上になることが必要です。指導医は、態度も、3段階評価(A:良好、B:普通、C:問題あり)で評価します。Cの場合はその内容を記載します。態度評価にあたっては(4)に述べるような多職種評価が参考にされます。評価表はEメールで専攻医に送信し、専攻医はコメントがある場合は記載して指導医に返信します。
プログラム管理委員会への専攻医研修実績記録(別添)と評価表の提出 - 専攻医は研修した内容の記録と、教育法への評価があればそれを評価表に記載し、年1回(11月を予定)にプログラム管理委員会に提出します。
- 指導医による研修内容の評価
指導医は、プログラムにそった研修内容の確認のみでなく、臨床検査技師、看護師、その他の医療職種との関連についても評価します。研修に関わった臨床検査技師、看護師、その他の医療関係職種による専攻医の研修態度などについて意見を求め、態度の評価の参考にします。 - 専門研修の最終評価と研修終了証
3年間の研修プログラム修了時に、プログラム統括責任者はプログラム管理委員会を開催し、書類の点検と専攻医の面接試験とを行います。提出書類は、① 専攻医の提出による専研修実績記録、②「経験目標」で定める項目についての記録、③「臨床現場を離れた学習」で定める講習会出席記録、④指導医の提出による評価表(医師としての適性評価を含む)、です。面接試験は、書類の点検で問題のあった事項については(例:評価Cであったものを克服したか、医師としての適性についてのコメントなど)確認します。専門医として適格と評価されると、研修終了証の発行を受けます。専攻医は研修終了証をえてから専門医試験の申請を行います。
研修プログラム管理委員会 について
プログラム管理委員会の役割
プログラム統括責任者の要件と役割
連携施設での組織
専攻医の就業環境について
研修プログラムの改善方法
専攻医からの申し立てによる改善
プログラム管理委員会の役割
修了判定について
専攻医が研修プログラムの修了に向けて行うべきこと
研修プログラムの施設群について
専攻医の受け入れ数について
研修の休止・中断、プログラム移動、プログラム外研修の条件
- 出産、育児によって連続して研修を休止できる期間を6カ月とし、研修期間内の調整で不足分を補うこととします。6か月以上の休止の場合は、未修了とみなし、不足分を予定修了日以降に補うこととします。また、疾病による場合も同じ扱いとします。
- 研修中に居住地の移動、その他の事情により、研修開始施設での研修続行が困難になった場合は、移動先の基幹研修施設において研修を続行できます。その際、移動前と移動先の両プログラム管理委員会が協議して調整されたプログラムを適用します。この一連の経緯は専門医機構の研修委員会の承認を受ける必要があります。
専門研修指導医について
- 臨床検査専門医を1回以上更新している。
- 所定期間(5年間)内に認定された指導医講習を1回以上受講している。
専門研修実績記録システム、マニュアル等について
研修に対するサイトビジット(訪問調査)について
専攻医の採用と修了について
採用方法
研修開始届け
- 専攻医の氏名と医籍登録番号、専攻医の卒業年度、専攻医の研修開始年度(初期臨床研修2年間に設定された特別コースは専攻研修に含まない)
- 専攻医の履歴書
- 専攻医の初期臨床研修修了証
- 日本臨床検査医学会入会を証明するもの(年会費納入を証明するものなど)
研修の修了
審査は書類の点検と面接試験からなります。
点検の対象となる書類は以下の通りです。
- 専攻医研修実績記録
- 「経験目標」で定める項目についての記録
- 「臨床現場を離れた学習」で定める講習会出席記録
- 指導医による「形成的評価表」