各科の専門研修プログラム

耳鼻咽喉科 専門研修プログラム

プログラムの目的

 耳鼻咽喉科・頭頸部外科は小児から高齢者まで幅広い年齢層が対象で、その領域も耳,鼻・副鼻腔,口腔咽喉頭,頭頸部と広範であり、治療手技としても外科的治療のみならず内科的治療も必要とし、幅広い知識と医療技能の習得が求められます。 佐賀大学医学部附属病院耳鼻咽喉科専門研修プログラム(以下、佐賀大学耳鼻科 PG)では、医療の進歩に応じた知識・医療技能を持つ耳鼻咽喉科専門医を養成し、医療の質の向上と地域医療に貢献することを目的としています。また、診療技能のみならず、学会発表や論文作成を通じ、科学者としての能力を習得することも目標としています。

専門研修基幹施設:佐賀大学医学部附属病院(年間手術 473件)

プログラム統括責任者

倉富 勇一郎(教授、診療科長)(頭頸部外科、口腔咽喉頭)

指導管理責任者

倉富 勇一郎(教授、診療科長)(頭頸部外科、口腔咽喉頭)

指導医

専門医

斎藤 真貴子(助教、外来医長)(耳科)

専門研修連携施設

佐賀県医療センター好生館(年間手術 607件、バランス良い一般診療、豊富な一般手術件数)

社会医療法人祐愛会 織田病院(年間手術 321 件、高度な耳科診療、鼓室形成術多数)

指導管理責任者:小宗 静男

医療法人社団博文会 小栁記念病院(年間手術250件、地域密着型の一般診療)

指導管理責任者:中島 俊之

募集定員:なし

研修開始時期と期間

平成 29 年 4 月 1 日~平成 33 年 3 月 31 日

応募方法

応募資格

本プログラムでの研修を希望される方は下記までメール、電話、または郵便でご連絡ください。

問い合わせ先

〒849-8501 佐賀県佐賀市鍋島5-1-1
佐賀大学医学部附属病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科
電話:0952-34-2379  Fax:0952-34-2020  E-mail:itoshok@cc.saga-u.ac.jp
URL:http://www.ent.med.saga-u.ac.jp/

プログラム概要

 佐賀大学耳鼻科 PG では、専門研修基幹施設である佐賀大学医学部附属病院(以下、佐賀大学病院)と、地域の中核医療を担う病院である佐賀県医療センター好生館(以下、好生館)、および地域医療を担う病院群である社会医療法人祐愛会織田病院(以下、織田病院)、医療法人社団博文会小栁記念病院(以下、小栁記念病院)の4つの研修施設において、それぞれの特徴を活かした耳鼻咽喉科研修を行い、日耳鼻が定めた研修到達目標や症例経験基準に掲げられた疾患や手術を経験します。
 4 年間の研修期間のうち、1 年目は佐賀大学病院で耳鼻咽喉科の基本的知識、診療技術を習得します。加えて、佐賀大学病院は全国でもトップレベルの頭頸部がん診療を行っており,全身管理の習熟とともに頭頸部外科手術や放射線治療、化学療法など高度な頭頸部がん診療を研修することができます。2年目は3つの専門研修連携施設のいずれかで研修を行います。3年目、4年目については半年を1単位とし、佐賀大学病院を含めた4つの施設から選んで研修を行います。連携施設はいずれも地域密着型で耳鼻咽喉科救急疾患も多く扱いますが、そのうち好生館はCommon disease の症例数が豊富でその手術件数も多い施設です。織田病院は全国でもトップレベルの耳科手術や聴覚医学の経験が可能です。小栁記念病院はCommon diseaseの経験とともに急性感音性難聴・めまい・顔面神経麻痺などの経験が可能です。好生館での研修を1年以上、織田病院、小栁記念病院での研修を半年以上行うことを原則とします。
 また、4年目は社会人大学院へ進学し、診療・研修を行いながら基礎研究や臨床研究を行う事も可能です。いずれの連携施設も佐賀大学医学部から通勤圏の距離にあるため、どの施設で研修していても社会人大学院に進学することが可能です。
 4年間の研修中、日本耳鼻咽喉科認定学会において学会発表を少なくとも3回以上行います。また、筆頭著者として学術雑誌に1 編以上の論文執筆・公表を行います。そのために積極的に科学的根拠となる情報を収集、分析し、日々の診療に活かすよう、日頃から科学的思考、生涯学習の姿勢を身につけます。

基本的研修プラン

耳鼻咽喉科 基本的研修プラン 卒後

1年目(平成29年度)

佐賀大学病院にて研修

2年目(平成30年度)

好生館、織田病院、小栁記念病院のいずれかの病院で研修を行う。

3年目(平成31年度)前期・後期

好生館、織田病院、小栁記念病院、佐賀大学病院のいずれかの病院で研修を行う。

4 年目(平成 32 年度)前期・後期

好生館、織田病院、小栁記念病院、佐賀大学病院のいずれかの病院で研修を行う。社会人大学院コースでは研修を行いながら社会人大学院へ入学し、基礎研究や臨床研究を行う

症例経験について

 専攻医は 4 年間の研修期間中に以下の疾患について、外来あるいは入院患者の管理を受け持ち医として実際に診療経験しなければなりません。なお、手術や検査症例との重複は可能です。また経験すべき耳鼻咽喉科検査も決められています。

本プログラムにおける年次別の症例経験基準例

  1. 疾患の管理経験:以下の疾患について、外来・入院患者の管理経験を主治医ないし担当医(受け持ち医)として実際に経験し指導医の指導監督を受けます。
    名称 基準症例数 研修年度
    難聴・中耳炎 25 例以上 5 10 5 5
    めまい・平衡障害 20 例以上 2 10 5 3
    顔面神経麻痺 5 例以上 2 2 1
    アレルギー性鼻炎 10 例以上 2 3 3 2
    副鼻腔炎 10 例以上 2 5 3
    外傷、鼻出血 10 例以上 2 3 3 2
    扁桃感染症 10 例以上 2 3 3 2
    嚥下障害 10 例以上 4 2 2 2
    口腔、咽頭腫瘍 10 例以上 5 1 1 3
    喉頭腫瘍 10 例以上 5 1 1 3
    音声・言語障害 10 例以上 4 2 2 2
    呼吸障害 10 例以上 3 2 2 3
    頭頸部良性腫瘍 10 例以上 2 3 3 2
    頭頸部悪性腫瘍 20 例以上 10 2 2 6
    リハビリテーション(難聴、めまい・平衡障害、顔面神経麻痺、音声・言語、嚥下) 10 例以上 3 2 2 3
    緩和医療 5 例以上 2 1 1 1
  2. 基本的手術手技の経験:術者あるいは助手として経験する((1)との重複は可能)。
    名称 基準症例数 研修年度
    耳科手術 20 例以上 鼓室形成術、人工内耳、アブミ骨手術、顔面神経減荷術 10 5 5
    鼻科手術 40 例以上 内視鏡下鼻副鼻腔手術 10 15 5 10
    口腔咽喉頭手術 40 例以上 扁桃摘出術 15 例以上 1 10 2 2
    舌、口腔、咽頭腫瘍摘出術等 5 例以上 3 1 1
    喉頭微細手術 15 例以上 5 3 3 4
    嚥下機能改善、誤嚥防止、音声機能改善手術 5 例以上 2 1 1 1
    頭頸部腫瘍手術 30 例以上 頸部郭清術 10 例以上 5 2 3
    頭頸部腫瘍摘出術(唾液腺、喉頭、頭頸部腫瘤等) 20 例以上 7 4 2 7
  3. 個々の手術経験:術者として経験する((1)、(2)との重複は可能)。
    名称 基準症例数 研修年度
    扁桃摘出術 術者として 10 例以上 2 7 1
    鼓膜チューブ挿入術 術者として 10 例以上 1 4 4 1
    喉頭微細手術 術者として 10 例以上 1 3 3 3
    内視鏡下鼻副鼻腔手術 術者として 20 例以上 2 3 8 7
    気管切開術 術者として 5 例以上 1 1 1 2
    良性腫瘍摘出術(リンパ節生検を含む) 術者として 10 例以上 1 2 2 5

専攻医の就業環境について

 専攻医の勤務時間、休日、当直、給与などの勤務条件については、労働基準法を遵守し、各施設の労使協定に従います。

修了判定について

 4 年間の研修期間における年次毎の評価表および 4 年間の実地経験目録にもとづいて、知識・技能・態度が専門医試験を受けるのにふさわしいものであるかどうか、症例経験数が日本専門医機構の耳鼻咽喉科領域研修委員会が要求する内容を満たしているものであるかどうかを、専門医認定申請年(4 年目あるいはそれ以後)の 3 月末に研修プログラム統括責任者または専門研修連携施設担当者が研修プログラム管理委員会において評価し、研修プログラム統括責任者が修了の判定をします。

耳鼻咽喉科研修の休止・中断、プログラム移動、プログラム外研修について

 諸事情による研修の休止・中断や、プログラム移動、プログラム外研修についての規定が設けられていますので、妊娠・出産等に対する対応も充分可能となっています。